要点3行

  • 茂木外相とロシアのラブロフ外相が、アメリカのアトランタで約30分会談しました。日ロの外相の正式な対面の会談は約5年ぶりです。
  • 茂木外相は、ロシア当局がスパイの疑いで拘束した北海道新聞の記者を、すぐに解放するよう強く求めました。
  • ロシア側は、本格的な対話の再開には日本が「非友好的な路線」をやめる必要があると主張しました。両外相は、意思疎通を続けることでは一致しました。

何が起きたか

会談は、G20(主要20か国・地域)の外相会合が開かれたアメリカ・ジョージア州のアトランタで、現地時間30日午後(日本時間31日未明)に行われました。日ロの外相による正式な対面の会談は2021年9月以来で、2022年のロシアによるウクライナ侵攻の後では初めてです。なお時事通信によると、茂木氏は7月にラブロフ氏と短いあいさつを交わしています。

日本側が伝えたこと 茂木外相は、ロシア極東のサハリンでロシア当局にスパイの疑いで拘束された北海道新聞の記者の即時解放を強く求めました。ウクライナ情勢については「公正かつ永続的な平和」に向けて前向きに対応するよう求め、8月のプーチン大統領の択捉島訪問について日本の立場を伝えました。共同通信によると、元島民らが墓地を訪れる「北方墓参」が中断している問題でも、日本政府の立場を伝えました。

ロシア側が発表したこと ロシア外務省は、会談は日本側の求めで行われたと発表しました。ラブロフ外相は、本格的な対話を再開するには、日本がロシアに対する「非友好的な路線」をやめる必要があると主張しました。時事通信によると、ロシア側の発表には記者の拘束への言及はありませんでした。

背景(なぜ今これが起きたのか)

ウクライナ侵攻のあと、日ロの外相が正式に向き合って話す場は開かれていませんでした。両外相が、関係が厳しい中でも意思疎通を続けることで一致したと伝えられていることからも、関係の難しさがうかがえます。

そうした中で日本人の記者が拘束され、日本政府としては直接解放を訴える必要が高まっていたとみられます(推測)。ロシア外務省は、会談は日本側の求めで行われたと発表しています(日本側がこの点をどう説明したかは、確認した報道の本文にありません)。ただし、一致したのは「意思疎通を続けること」までで、関係がよくなる見通しが立ったわけではありません。

あなたへの影響

海外で働く・取材する日本人の安全の話 今回の焦点の一つは、仕事で海外にいた日本人が拘束されたことです。出張や駐在で海外に行く機会がある人にとっても、行き先の国と日本の関係がどうなっているかは、自分の安全に関わる話になりえます。外務省が出す渡航の情報を、出発前に確かめておくと安心です(推測。出典にこの呼びかけはありません)。

北方領土・墓参の問題は、まだ動いていない 北方墓参の中断について、日本は立場を伝えましたが、再開が決まったとは報じられていません。元島民やその家族にとっては、待つ時間が続くとみられます。

今後の注目点

  • 拘束された北海道新聞の記者が解放されるか
  • 日ロの意思疎通が、次の会談や北方墓参の再開につながるか
  • ウクライナ情勢をめぐる各国の動き