要点3行

  • 政府は11月6日、首相官邸でサイバーセキュリティーに関する関係閣僚会議を開き、「緊急対策パッケージ」をまとめました。
  • 被害を受けた企業に官民の専門人材を機動的に送る「官民サイバー救援隊(仮称)」をつくるほか、「能動的サイバー防御」のための人員の増強や設備の拡充を盛り込みました。
  • 高市首相は、基幹インフラの事業者から政府への報告を「少なくとも同日中に」伝わるようにすることを目指すよう求めました。

何が起きたか

前日の記事で「6日に決める予定」とお伝えしたパッケージが、6日の関係閣僚会議でまとまりました(毎日)。主な中身は次のとおりです。

  • 官民サイバー救援隊(仮称):被害を受けた企業に、官民の専門人材を機動的に送ります。送り先は企業で、個人のところに来る仕組みではありません。
  • 能動的サイバー防御の体制づくり:警察や自衛隊が、攻撃してくる側のサーバーに入ってプログラムを止める取り組みのことです。これを行うための人員の増強や設備の拡充を盛り込みました。
  • 情報を1か所に集める:各省庁にまたがる被害の情報を、内閣官房の国家サイバー統括室に集め、官民で分析・対処します。
  • AIの活用:企業のシステムの弱点を見つけるために、AIの活用を進めます。

高市首相は、サイバー攻撃をつかむ情報収集の力をさらに強めると表明し、古川俊治サイバー安全保障担当相に、サイバー対処能力強化法の改正の検討を指示しました。基幹インフラの事業者から政府への報告については、「数時間、少なくとも同日中には攻撃を受けた旨の情報が伝わるようにすることを目指してください」と述べました(毎日)。

背景(なぜ今これが起きたのか)

前日の5日の時点で、時事・共同・読売が、パッケージの原案と「6日に決める予定」を伝えていました。編集部でもここ最近、企業の情報流出を続けて伝えています。ただ、確認した報道は、特定の企業の件をこの対策のきっかけとしては挙げていません。

被害の情報を1か所に集め、報告を早めるよう求めた点からは、攻撃を受けてから国が状況をつかむまでの時間を縮めたい考えがうかがえます(推測)。

あなたへの影響

今日から何かをする必要はない 救援隊も能動的サイバー防御も、国と企業の体制の話で、利用者が直接何かをする話ではありません。人数や予算の額は、確認した報道には書かれていません。

流出のあとの連絡が早くなるかもしれない 企業が攻撃を受けたとき、専門の人がすぐ入って原因と範囲をつかめれば、利用者への連絡も早くなる可能性があります(推測)。「何が漏れたか」が早く分かれば、明細の確認やパスワードの変更にすぐ動けます。

自分でできる基本は変わらない 同じ6日には、ドコモが流出の詳しい中身を明らかにしました(同じ日の別記事)。国の対策が進んでも、届いたSMSやメールのリンクをすぐ開かない、パスワードを使い回さない、といった基本は自分で続ける必要があります(編集部の提案です)。

今後の注目点

  • 救援隊がいつ、どのくらいの規模で動き出すか
  • サイバー対処能力強化法の改正の中身
  • 基幹インフラの事業者からの報告が、どこまで早くなるか