要点3行

  • 世界銀行は28日(米国時間)、商品市場の見通しをまとめた報告書を公表し、世界の食料価格は2026年に前の年より約1割上がるとの見通しを示しました。
  • 時事通信によると、2027年もさらに7%上がり、2026〜27年の2年で計18%上がる見通しです。
  • 理由として、エネルギー価格の高騰、肥料の値上がり、海上輸送の混乱、エルニーニョ現象による不作を挙げました。

何が起きたか

世界銀行は、世界の食料価格が2026年に前の年より約10%(共同通信は10.3%)上がると見込みました。ここでいう価格は国際的な商品市場での価格で、スーパーの店頭の値段そのものではありません。

時事通信によると、理由は4つです。米国とイランの紛争によるエネルギー価格の高騰、肥料の値上がり、黒海での商船攻撃による海上輸送の混乱、そしてエルニーニョ現象による穀物などの不作です。エルニーニョ現象は、1950年以降で過去最大級になるとの予報を前提にしています。コメについては、エルニーニョの影響で世界の収穫量が10年ぶりに減り、価格が大きく上がると予想しています。

世界銀行の副チーフエコノミストのコーゼ氏は、エネルギー高などが「インフレや食料不安、経済成長の悪化を招く恐れがある」と警告しました。

食料以外では、共同通信によると、金属・鉱物の価格が24.5%上がって過去最高になる見込みです。AI開発に伴うデータセンターへの投資で、需要が増えることが背景です。

背景(なぜ今これが起きたのか)

共同通信によると、世界銀行は中東の混乱が長引いていることを受けて、4月時点の見通しから価格の予想を引き上げました。今回の見通しは、各地の紛争が大幅に激しくならないことを前提にしています。前提が変われば、見通しも変わる可能性があります。

エルニーニョ現象は、南米ペルー沖から太平洋の赤道付近にかけて海面の水温が平年より高くなる現象で、世界各地の天候に影響することが知られています。今回は、その影響が穀物の収穫に及ぶと見込まれています。

あなたへの影響

輸入に頼る食品は、値上がりの可能性を頭に入れておく 日本は食料の多くを輸入しています。世界の食料価格が上がれば、日本の食卓にも影響する可能性があります。ただ、日本の店頭価格にどれだけ響くかは、今回の報道には書かれていません。為替の動きや、企業が仕入れ値の上昇をどこまで値段に反映するかでも変わるとみられます。

値段の変化に気づける準備をしておく 時事通信によると、世界の食料価格の上昇は来年も続く見通しです。日本の食品の値段にどう表れるかは分かりませんが、家計簿やアプリで食費を記録している人は、小麦を使うパンや麺類、食用油など、輸入の原料が多い食品の値段を数か月ごとに見比べておくと、家計への影響に早く気づけます。まとめ買いをあわてて増やす必要はなく、変化に気づける準備をしておく段階とみられます。

コメの話は「世界の」収穫量 報告書のコメの減産予想は、世界の収穫量についてのものです。日本のコメの収穫や値段の話ではありません。

今後の注目点

  • エルニーニョ現象が予報どおり強まるか
  • 中東などの紛争の行方と、エネルギー価格の動き
  • 日本の食品の値上げに、どのように表れてくるか