要点3行

  • 飲食料品の消費税率を2年間、8%から1%に下げる法案について、衆院財務金融委員会が27日、参考人から意見を聞きました。
  • 経済学者は「購買力の低下を補う目的なら、コスパの悪い政策」、スーパーの社長は「喜びは多分1か月もたない」と、慎重な意見を述べました。
  • 片山さつき財務相は、減税が価格に「ほとんど転嫁されなかったという国はない」と、値下げの効果を強調しました。

何が起きたか

政府が国会に出している法案は、飲食料品の消費税率を2年間、今の8%から1%に下げる(7%分の引き下げ)内容です。朝日新聞によると、引き下げは来年4月からで、財政負担は5兆円の規模です。日刊スポーツは、高市早苗首相の肝いりの政策と伝えています。

27日の衆院財務金融委員会では、参考人の意見を聞く質疑がありました。

慎重な意見 東京大学の渡辺努名誉教授は、「消費者の購買力の低下を補う目的なら、極めてコスパの悪い政策だと思う」と述べました。価格に十分転嫁できていない(上乗せしきれていない)企業が多いため、7%下げても実際の値下がりは4%程度にとどまる、という試算も紹介しました。そのうえで、いま必要なのは賃金の安さを正すことだと指摘しました。

東京の食品スーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は、減税は「ありがたい」としつつ、7%下がった喜びは「多分1か月もたない」と述べ、2年後に税率が戻るときの負担感が大きいと訴えました。税率が変わるたびに税込の値札を作り直す負担も挙げ、「安心ではない」としました。

効果を強調する政府側 片山財務相は同じ委員会で、海外の例を挙げ、減税が価格に「ほとんど転嫁されなかったという国はない」と述べました。転嫁率が低い例でも53%だったと説明し、減税しても物価が下がらないのでは、という疑問に反論しました。

背景(なぜ今これが起きたのか)

渡辺氏が「消費者の購買力の低下を補う目的なら」と前置きしたように、この減税は、毎日の買い物の負担を軽くする手段として議論されているとみられます。法案は今、衆院で審議されています。論点は、税率が下がった分が実際の値段にどれだけ反映されるか、そして2年後に税率が元に戻るときの影響です。参考人と財務相の意見は、まさにこの点で分かれました。

あなたへの影響

成立すれば、スーパーでの食費の税が下がる 法案はまだ成立していません。成立すれば、スーパーで買う食料品の消費税が2年間、8%から1%になります。たとえば税抜き1万円分の食料品なら、税込み1万800円が、税率どおりに下がれば1万100円になる計算です。ただし渡辺氏の試算のように、店の値段が税率どおりに下がるとは限りません。

「2年後」も頭に入れておく 秋葉氏が指摘したように、2年後に税率が戻れば、同じ買い物でも支払いは増えます。減税の期間だけを前提に家計の予算を組むと、戻ったときに負担を重く感じるかもしれません。

今後の注目点

  • 法案が成立するか、引き下げがいつから始まるか
  • 成立した場合、店頭の値段がどれだけ下がるか